邦画史に残る名作戦争映画

邦画で作られている戦争映画はその多くが第二次世界大戦を題材にしています。

なかでも2013年に放映された永遠の0は初日二日間の興行収入が5億円を突破するほど大ヒットになりました。

永遠の0は第二次世界大戦中に零戦の空軍パイロットとして戦った男性の足跡を辿る物語です。キーパーソンはパイロットの宮部久蔵ですが、プロット上彼の孫が主人公として据えられています。

特攻隊で散って行った男性達は日本国内で悪しき者として語られがちですが、永遠の0では孫が祖父の足跡を辿る中で彼の真実の気持ちに気付くと言う筋立てとなっています。

宮部久蔵はかつての戦友に「臆病者」として語られています。その理由は彼が戦場で戦う飛行機乗りでありながら死を恐れ、妻子の下に帰る事を自身の至上の命題として生きていた事にあります。

あくまで自ら生き残る事に執着していた宮部ですが、物語の最後は特攻で散って行くのです。孫達は祖父がそのような形で亡くなった理由を解き明かすためにかつての仲間達の下を訪問します。

戦争映画と言えばどこかの国を悪者にして正義と悪の戦いとメインテーマにしたものが少なくありません。しかし永遠の0では空に散って行ったファイター達の男らしい戦いを描きつつ、戦争が持つ悲惨さを描き出しているのです。宮部久蔵と言う主人公の死を描く事で、観る者に二度とこのような悲劇を繰り返してはならないと言う感情を惹起します。

物語の骨格には家族の愛があり、宮部は日本で暮らしている妻子のために絶対に生きて帰る事を心に決めているのです。しかし自分の若き部下の命を守るために最後は特攻せざるを得ない事態に立ち至ります。その若者は後々宮部の妻をめとり、宮部が守りたかったものを自らの手で守り続けるのです。

また永遠の0は日本の戦争映画の中でも秀でたVFXを使用している映画です。飛行機乗り達の戦闘は手に汗握るような迫力があり、観ている者に空の戦いを体感させます。