戦争映画を観たことがない、という人にこそ観てほしい

原作小説には触れたことがないのですが、映画版「永遠の0」は、それでも十分すぎるほど心に残る邦画の名作です。恥ずかしながら映像での残酷描写が苦手なこともあり、長らく戦争映画には触れてこなかったのですが、私のような、「戦争映画をきちんと観たことがない」という人にこそ全力で薦めたい、そんな心に突き刺さる映画になっています。鑑賞してからしばらくが経ちますが、今も余韻が消えることなく鮮やかに残り続けている、そういう強いパワーを持っている物語です。祖母の葬式の日に、祖父とは血の繋がりがなく、血縁上の祖父が別にいることを知った佐伯健太郎は、故人である血縁上の祖父・宮部久蔵のことを知らんと、彼のかつての戦友の元を訪ね歩きます。最初こそ、悪評ばかりが耳に入ってくるのですが、徐々に明かされていく久蔵の想いに、健太郎と共に胸をうたれること間違いなしです。命が軽んじられ踏みにじられた戦争の時代の中で、「臆病者」とそしられても、自身の、そして周りの人たちの命を大切にした久蔵の生き様は、カッコいいなどという陳腐な言葉で片付けられるべきではないと思うのですが、それでもやはり胸に染みます。自分の、そして自分の大切な人たちの命を心から大切にしようと思わせてくれる、そんな映画です。また、久蔵を演じるのはV6の岡田准一さん、健太郎を演じるのは三浦春馬さんと、実力派キャストの素晴らしい演技にも注目です。戦争について、命について。しっかりと考える機会をくれる、力強い作品です。